今日は久しぶりの休暇だ。

といっても、実際には今日の朝プラントに戻ってきたところで、休暇は1日しかない。

家に帰ってもすぐにまた戻ることになるため、ほとんどのものはザフト本部に残っている。

アスランもその一人だった。

 

「さて、やることも特にないし、暇だな」

部屋にいるのにも飽きたので、アスランはぶらぶらと本部の中を歩いていた。

人はいるはずなのに、いやに静かな建物のなか。

別に寂しいと思うわけではないが、なんとなくつまらない。

 

「あれ?」

入り口の方へ向かって歩いていると、ふとキョロキョロと辺りを見回している少女の存在に気がついた。

ザフトではたとえ休暇だといっても本部の中を出歩く時には軍服着用が義務付けられている。

それだというのに、その少女の姿は私服だ。

胸になにやら紙袋を抱えている。

アスランはとっさに体を隠した。

(なにをキョロキョロとしているんだ?みたところ、関係者とも思えないが)

しばらく観察していると、その少女がこちらに歩いてくるのが分かった。

とっさにどこかの部屋に隠れようかとも思ったが、それができる場所もない。

しかたなく、アスランはその少女に声をかけることにした。

「なにをしている?」

「!?」

いきなり声を掛けられて、相手は驚いたように目を見開いた。

遠目ではわからなかったが、少し長めの茶髪に、アメジストの瞳がすごく印象深い。

普段コーディネーターという容姿の優れている人間と接しているアスランでも、状況を忘れて思わず見とれてしまった。

「あの?」

下から覗き込むようにして声を掛けられ、アスランははっと我に返った。

「君は軍の人間ではないね。ここは関係者以外立ち入り禁止だ。一体なにをしていた?」

「えっと、ちょっと身内に会いに来たんです。受付の方に道は聞いたんですけど、迷ってしまって」

「ああ、そういうこと」

よく見れば、少女の胸には通行証のバッチが付けられている。

初めから見つけていれば、失礼な物言いをしなくてもすんだものを。

「そういうことなら俺が案内しますよ。お身内というのは誰?」

「それは・・・・」

 

「キラ!」

 

その声に振り向くと、そこにいたのは。

 

 

イザーク・ジュール

ニコル・アマルフィ

ディアッカ・エルスマン

 

 

〜途中だけどあとがき〜

由布さまからのリクエストで、「キラ姉妹編」です。

もう、大変にお待たせしてしまって、申し訳ないです。

なかなか思うように進まなかったので・・・・。先週のうちにUPを目指していたのですが、まったくもって過ぎてしまいました・・・・。

キラの性格がかなり微妙なものに変化しているような・・・。

由布様、いかがでしたでしょうか?