イザークはゆっくりとキラに口付けた。

相手を欲するようなものではなく、あくまでキラの緊張を溶かすための、甘いキス。

「ん・・・・・」

「キラ」

徐々に、キラの体から力が抜けていくのが分かる。

キラと繋いだ片手とは逆の手をそっとキラの体に這わせる。

ゆっくりと体の線をなぞるように動く手に、キラはくすぐったそうに身をよじる。

こうして触れていると改めて分かる、キラの細さ。

これで本当に今からすることに耐えられるのかと心配にもなるが、イザークにはもう自分を止めることができるという確信がなくなっていた。

ふと、体をなぞっていた手が胸の突起へと触れた。

「あ・・・・・」

反応を示したキラにふっと笑うと、イザークはそれを押しつぶすかのように触れる。

「んぁ・・・っ」

「気持ちいい?」

そう尋ねると、キラは分からないとばかりに首を振った。

そんな反応に気をよくしたイザークは、指で触れているほうはそのままに、もう一方に顔をよせ舌を這わせる。

いきなりの温かい感触に、キラの体は大きく跳ねる。

「ふぁっ・・・、やぁ・・・・」

「いやじゃなくて、気持ちいい、だろう?」

舌先で愛撫され、時には甘噛みされる感触に、キラはただただ溺れていった。

「んん・・・・・ジュール、さまぁ・・・・・」

「キラ、気持ちいい?」

「や・・・・、そん・・・な、ところで・・・・しゃべらな・・・・っ」

イザークが飾りを唇に含んだまましゃべるとその感触が直に伝わってくる。

その感触に、キラはイザークと繋がれている手をぎゅっと握り締めた。

さきほどまで怯えて震えていた体は、今は快楽に耐えられず震えている。

それがなんとなく嬉しくて、イザークはキラの手をぎゅっと握り返した。

ふと、イザークは下のほうで存在を主張しているものに気づいた。

それにそっと触れれば、キラは驚いたようにイザークを見た。

キラの瞳を覗き込みながら、イザークはそれを上下にゆるゆると動かす。

「・・・・・・んぁ・・・・っ」

一瞬にして頬を赤く染めたキラは、声を出さないように口に手を当てる。

それを、イザークはやんわりを払った。

「声を出せ。聞きたい」

「ふぁ・・・・・や、んん・・・・・・っ」

徐々に激しくなっていく手の動きに、キラはただ溺れるしかなかった。

キラにとっては初めての感触で。

それも、それを与えているのはほかならぬイザークで。

「あ・・・や、もうっ・・・・!」

「いくか?」

コクコクとうなづくと、イザークはちゅっとキラの頬に口付けた。

ゆっくりと、だが確実にイザークはキラを高めていく。

「あ、もう・・・だめぇ・・・・・っ」

「イけよ」

耳元でそっとささやくように言われて、キラは自分の欲を放った。

「あ・・・ああ、あああああああっ!!!」

 

 

 

 

「・・・・ラ、キラ・・・」

ふと、キラは自分の名前を呼ぶ声に眼を開けた。

と、眼の前にはイザークの心配そうな顔があった。

「ジュ・・・・・ル、さま?」

「大丈夫か?」

「あ・・・・・はい」

いままでなにをしていたのかを急に思い出して、キラは顔を赤く染める。

「続きをしても?」

イザークのささやく声に、キラは恥ずかしそうに小さくうなづく。

それを確認したイザークは枕元においてあった小瓶を手に取った。

それが何かわからないキラは、イザークの行動をじっと見ている。

「ジュールさま?」

「なんだ?」

「それは、なに?」

「ああ、これはキラを気持ちよくしてくれるものだ」

そういうと、イザークは中身を指へ掬い取り、キラの足を大きく開いた。

「や・・・・、なに・・・・?」

「じっとしていろ」

「んんん・・・っ」

イザークの指が、キラの秘部へと触れる。

入り口に丹念に何かを塗りこめると、つぷっと指を一本、中に差し入れた。

「・・・・っ」

「痛いか?」

「・・・・だ、へい・・・き。平気、です」

「そうか」

平気、と口ではいっているが、キラの顔はかなり苦しそうだ。

初めて触れられるので、中はすごく狭い。

イザークの指1本でもぎゅうぎゅうと締め付けてくる。

「・・・・ぅん・・・・・、あ・・・・・・・」

ゆっくりと指を動かせば、中も少しずつだがほぐれてきた。

と、イザークの指がある一点に触れた。

「ひぁっ!」

「ここか・・・・」

あきらかにキラの反応が変わった場所を、イザークは集中的に指で擦る。

「や・・・・そこ、やだぁ・・・っ」

「いいか?キラ」

「や・・・そこ、ジンジンするの・・・、こすっちゃだめぇ・・・・っ!」

やめてくれと請うキラの瞳からは一筋二筋と涙が零れ落ちる。

イザークはキラの涙を唇で吸い取るようにキスをするが、指の動きはますます激しくなる。

いつのまにか、中をいじる指は2本、3本へと増やされていった。

「や・・・、・・・ま、ジュ・・・ル、さまぁ・・・・」

「もうそろそろいいか」

指を引き抜くと、キラはほっとした表情をする。

「キラ、できるだけ体の力を抜くんだ。いいな?」

「は・・い」

キラの頬に軽くキスをすると、ゆっくりとキラの中に押しすすんでいく。

「あ、んん・・・・・・っ」

指とはまったく大きさが違うためか、キラはなかなか上手く力が抜けないらしい。

体を硬直させて、イザークを締め付ける。

「・・・・・・・・っ」

「やぁ・・・・・、苦し・・・・・・っ、熱いよぉ・・・・・・」

「キラ・・・・。いい子だから、力を抜け」

「できな・・・・、痛・・・いぃ」

フルフルと首を横に振る。

瞳からあふれる涙をイザークはぬぐうと、すっかり萎縮してしまっているキラに手を伸ばした。

「ふぁ・・・・っ!」

力を抜けた瞬間を狙って、イザークは一気に奥まで進む。

「い・・、ああああああああっ!」

キラの体が、刺激のあまりがくがくと震える。

繋いだ手は痛いほど握り締められ、もう一方の手はシーツにつめを立てて指先が真っ白になってしまっている。

イザークはそんなキラを落ち着かせるようにいたるところにキスを落とした。

目尻、頬、額、唇。

「キラ・・・」

そっと名前をささやけば、キラはようやく顔を上げてイザークを見つめる。

安心させるようにふっと笑うと、キラのシーツを握り締めている手をそっと包んだ。

それを自分の首にまわす。

「ジュ・・・・さま?」

「イザークだ」

「え・・・・?」

「イザーク。そう呼べ」

「イザーク・・・さま?・・・・・あああっ!」

キラが名前を読んだ瞬間、イザークはゆっくりと動きだした。

キラはイザークにぎゅっとしがみつく。

キラに負担を掛けすぎないようにゆっくりと、だが的確にキラの感じるところを探し当てる。

「ん、ふぅ・・・・・あ、ああっ!」

「キラの中、すごく気持ちいいな」

「ふぁ・・・、・・・ざぁ・・・く・・・・・」

「キラ・・・」

「ぼくも・・・い・・・、きもち・・・・いい・・・・」

「ああ」

 

 

 

涙が、こぼれた。

なぜだか分からないけど。

抱きしめてくれているのはイザークで、自分の中にいて満たしてくれているのも彼で。

それが、どうしていいか分からないほど幸せで。

どうしようもなく、満たされていて。

夢中で、イザークという存在を感じる。

 

 

 

 

「ん・・・・・あ、も・・・う・・・・・」

「イクか?」

「んん・・・・・・・っ」

「俺もだよ。一緒に、な」

「イザー・・・・クぅ」

キラの体をぎゅっと抱きしめると、イザークはキラを高みへと押し上げていく。

 

 

 

「あ・・・・ああああああああああ!」

「・・・・・・・っ」

 

 

解放した瞬間、キラは意識を手放した。

ただ、イザークだけを感じたまま・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・・・」

ゆっくりと眼をあけると、もう外が少しずつ明るくなってきているのが分かった。

「朝・・・・?」

「起きたか?」

声のしたほうを見れば、イザークの顔がすぐ近くにあった。

驚いたように体を離そうとしたが、抱き込まれた状態で寝ているのでそれもできない。

イザークも今起きたようで、キラの髪に顔を押し付けてまだ眠そうだ。

くすぐったそうにしながらも、キラはそんなイザークを受け入れる。

「体、大丈夫か?」

「え、あ・・・・はい・・・・」

「昨日は、無理させたからな」

そういうと、体を起こすついでにキラの体も引き上げる。

と、急に顔をしかめる。

「・・・・・っ」

「大丈夫か?」

「ん・・・・・」

少し腰の辺りがいたむけれど、無理をしなければたいしたこともない・・・と思う。

キラになるべく負担をかけないように、イザークは自分によりかからせるようにキラを引き寄せる。

そのままキラの顔を上げると、ゆっくりと口付ける。

自然と、キラもイザークの首に腕を回して抱きつく

 

満たされる、気持ち。

そばにいるだけで、幸せになれる存在。

 

イザークとキラは、鐘が鳴るまでずっとキスを交わしていた。

ずっと、ずっと・・・・。