ふと、アスランは存在を主張するイザークのものの存在に気づいた。

そういえば、さっきはイザークをいかせる前にやめたんだ、ということを思い出した。

アスランがそれにそっとふれれば、体がびくっと震えるのがわかった。

「あ・・・・」

「続き・・いい?」

おそらく真っ赤になってしまっているであろう頬をアスランに抱きつくことで隠そうとしながら、イザークはコクリとうなづいた。

「もう酷くしないから」

そっとイザークの耳元に囁いて、アスランは触れているイザークの熱を包む。

「ぁ、っ」

数度扱き上げられただけで、途端に背筋を駆け上る快感に、イザークの背が撓った。

さっきまであれほど嫌だと思っていたのに、相手がいつものアスランだと言うだけで、こんなにも違う。

僅かな刺激に頬を染め、身体を跳ねさせるイザークに微笑んで、アスランは足の付け根へと手を滑らせた。

太ももを伝い、アスランの唾液でまだ濡れている奥に辿り着くと、傷つけないようにゆっくりと指を忍ばせた。

「あぁっ!んっ・・・」

イザークが力を抜いているからか、するりと迎え入れられた指に続いて、2本目を増やす。

「ぁ、・・・アスラ、ン」

固く目を閉じて、イザークは熱い吐息を洩らす。

アスランが指を折り曲げるようにして内側を引掻くたびに、痺れるような感覚に襲われた。

快感に震えるイザークの内側で、アスランは更に指を蠢めかすと、ある1点を捉える。

「ひぁっ!!・・・あっ!」

ビクリと身体を強ばらせるイザークの様子に、アスランは優しく微笑んだ。

「ココがいい?」

悪戯な響きを含んだ問いかけに、イザークは何度も首を縦に振って返す。

与えられる過ぎた快感に、イザークはもう、ポロポロと涙を零すしかなかった。

 

 



「ふ・・うぁ・・・あっ!」

流れおちる涙をぬぐいとるのと一緒に、アスランはイザークの顔の至るところにキスを落とした。

額・頬・唇。

その行為が、自分の気持ちをイザークへ伝えてくれると信じて・・・。

「や・・・もう・・・いい、もういい、からぁ・・!」

「イザ?」

「はや・・・中にぃ・・・・っ」

「・・・今日は無理だよ」

先ほど乱暴にしすぎたせいで、受け入れる場所を傷つけてしまっている。

これでは、アスランを受け入れることなどできない。

そんなことをすれば、なおさら傷が広がってしまう。

「いい、から・・・中・・・早くっ!」

「イザーク・・・」

「どうなっても・・いい、から、お願・・・・」

「わかったよ」

アスランは中に入れていた指をそっと抜いて、かわりに自分のそれをあてがった。

「ん・・・・」

「イザーク、力抜いて・・・」

さすがに、イザークの中はきつくて。

締め付けが激しく、思わずすぐにいってしまうところだった・・・。

「イザーク、息を吐いて・・・」

「む・・無理・・・」

「大丈夫だよ、ほら」

イザークが息を吐くのと同じくして、中の力も徐々に抜けてくる。

アスランはイザークを傷つけないように極力気をつけながら、最奥へと進めた。

「あぁっ・・・んっ」

きつい部分を過ぎれば、イザークが呼吸を繰り返すたびに、じわじわと飲み込まれていく。

「ん、・・・ふっ、ぅ、」

ゆっくり時間をかけて、根元まで受け入れたイザークの唇から洩れた甘い響きに、アスランは微笑を浮べた。

苦痛よりも、快感を感じてくれているのだと、嬉しかった。

 

 



イザークを傷つけないよう、中が馴染むまでアスランが動かずに待っていると、その肩に細い指がそろりと伸ばされた。

そのイザークらしくない遠慮がちな動きに、アスランは不思議そうな表情を浮けべ、けれどすぐに理由に思い至ると、眉を顰めた。

アスランの肩にイザークが縋るなんて、いつもなら何てことはない、躊躇いなど必要ない行動なのに。

さきほどアスランが振り払ってしまったのを、イザークは忘れていない。

「・・・ごめんね、イザーク」

アスランが細い指をひいて、しっかりと肩に縋らせてやると、イザークは嬉しそうに微笑んだ。

その様子が愛しくて、アスランはイザークの目元に口付けを落とす。

くすぐったそうに目を細めるイザークの髪を掻き上げて、露わになった耳元でアスランはそっと囁いた。

「動いていい?」

その声にイザークはピクリと肩を震わせて、縋っているアスランの肩に爪を立てる。

「さっきから・・・そういうの、一々聞くなっ!!」

 

 

 

顔を真っ赤にしたイザークの怒鳴り声を、アスランは笑顔のままで受け止めて、それじゃ、とイザークの足を持ち上げた。

「あっ・・・・!」

ゆっくりとアスランが動き始めるのに、イザークの身体が震えだす。

苦痛を感じているわけではないだろうが、まるで逃げるように身体を捻るイザークを抱き込んで抑えると、アスランはゆっくりと動き始めた。

「あぁ、・・・・んっ!ひぁっ、あっ」

目を潤ませるイザークを揺すり上げ、アスランはきついくらいの締め付けを味わう。

「く・・・っ、イザーク、気持ちいい?」

「イ・・・い・・・・、ふぁ!」

イザークの感じる部分に触れると、一段と甘い声を上げる。

アスランはその部分を執拗に攻めた。

「ぁんっ!や、そこ・・・・ば・・かりぃ・・・・・っ!!」

イザークはアスランに縋りつく腕に力を込め、アスランの頭を引き寄せる。

それに導かれるようにして上半身をゆっくり倒すと、アスランはちょうどいい位置に来た胸の飾りをぺロリと舐める。

「ぃあっ!」

触れたと同時に、アスランを受け入れている場所がきゅっと閉まる。

 

 

 

 

イザークの息遣いが、アスランの首筋をくすぐる。

軽く突き上げるたび、濡れた音が響くのが恥ずかしいのか、イザークが力なく顔を左右に振った。

けれどそれは、嫌がっての仕種ではないと、アスランは知っていたから。わざと音が立つようにイザークを攻め立てた。

「・・・・ふ、あ、あぁっ!!」

「イザーク、気持ちいい?」

甘く囁いても、もう聞こえていないのか、イザークは白い喉をそらして、ただ喘ぐ。

「あぁ、んっ!!」

アスランが悪戯に吸い付く胸の突起からの刺激にも翻弄されて、一際高く声を上げるのと同時に、また締め付けを強くする。

締め付ければ、それだけ内側にいるアスランを確認するコトになる。

イザークは自分ですら止められない反射的な動きに、引きずりこまれるように快楽に堕ちていく。

 

 

 

「んぅ・・・・ひぁっ・・・!」

悲鳴のような声が、イザークの喉をついて出る。

自ら腰を降り始めたイザークを翡翠の瞳で見据えながら、アスランも腰をうちつけた。

「い・・・・ぁっも、うっ・・・」

最奥を蹂躙するアスランに、泣きながらイザークが縋る。

「ァス、・・もうっ」

もう、耐えられないから。

蒼氷の瞳に許しを請う光を見て、アスランは笑みを浮かべた。

「わかった、いいよ」

イザークが一番感じる場所へと、深く腰を進める。

「あ・・・・あぁぁっ!!!!」

一際高い声を上げて、イザークが達するのと同時に、アスランを締め付ける部分が、絞るような動きをした。

それにアスランが息を詰め、イザークの最奥へと熱を吐き出す。

「・・・・・ふ・・・ぅ・・」

イザークの身体が痙攣するのを、なだめるように髪を梳いて、アスランは口付けを落とした。

「ん・・・・・」

身体に力が入らないイザークは、それでもアスランの口付けに答える。

唇を離せば、ややぼんやりとした目でイザークはアスランを見つめていた。

「イザ、本当にごめんな」

「・・・・・・」

何度もそう謝ってくるアスランに、イザークは軽く頬を叩いた。

「もう、いいから。謝らなくていい。アスランが信じてくれたなら、それでいい」

「イザーク・・・・」

「これからも、信じてくれるんだろう?」

「もちろんだ」

アスランはその気持ちを伝えるかのように、ぎゅっとイザークの身体を抱きしめた。

アスランの胸に抱きしめられて、鼓動の音がよく聞こえてくる。

それが心地よくて、疲れもあってか次第に眠くなってくる。

「イザーク、愛してる」

「ん・・・、俺・・も・・・・」

優しく髪を梳いてもらって、ゆっくりと目を閉じた。

しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてくる。

アスランはくすっと笑みをこぼすと、もう一度イザークの額にキスを落とした。

「おやすみ、イザーク。よい夢を・・・・」

アスランもまた、眠りへとおちていった・・・・。