家に着くと、まずイザークは浴室へと直行した。

浴槽に湯を張りながら、キラの体を覆っているコートとシーツを脱がせる。

暗くて分からなかったが、かなりの鮮血がシーツを、そしてキラの下半身を汚していた。

「熱かったらいえ」

こくりとうなづいたことを確認してイザークはゆっくりと体にシャワーをかけていった。

震える体はまだとても幼く、そしてとても儚かった。

「少し、我慢して」

そいうって、イザークは自分が濡れるのもかまわずにキラを抱き上げ、その隠れた秘部に手を触れた。

「っ!?いやぁっ」

「落ち着け、キラ!」

「やっ、いや、やだぁ・・・っ!」

すっかりパニックに陥ってしまったキラに短く舌打ちすると、イザークは手を一度離してキラの体を強く抱きしめた。

「や、怖い・・痛いよ・・・っ」

イザークにしがみつきながら体を振るわせるその様子から、キラがどんな目にあったのか容易に知ることができた。

「大丈夫、怖くない。ここにいるのは、俺だけだ」

「やだ、・・・や・・だ・・・」

ひっく、としゃくりあげながら泣き続ける。

イザークに抱きつきながら震えるその様子から、キラがどんなひどい目にあったのか容易に想像することができた。

「う・・・ぃた・・・・、痛いの・・・・や・・・ぁ・・・・」

ひっく、としゃくりあげながらも泣き続けるキラ。

「キラ、俺を見ろ」

怯え、震える体をしっかり抱きしめて、イザークはキラの意識を自分へと向けさせた。

何度も名を呼ぶうちに、ようやくキラはイザークの顔を見上げた。

「ここにいるのは、俺だ。あいつらじゃない。・・・・わかるな?」

「・・・ん・・・」

「いい子だ」

髪を梳くように撫でれば、キラは安心したかのようにイザークの胸に擦り寄る。

その背を優しく抱きしめてから、もう片手をキラの秘部へと手を伸ばした。

「あ・・・・あ・・・・」

その手を感じて、キラの体が再び震える。

「怖いのは分かるが、このままではお前がつらいだけだ。少しだけ、我慢してくれ。お前を傷つけたくない」

「うん」

キラはイザークの背中に腕を回し、しっかりと抱きついた。













ようやく浴室を出るころには、キラは与えられる刺激が強すぎて気を失ってしまった。

そんなキラをイザークは客室へと連れて行った。

少し熱があるようだが、大分落ち着いてきた。この調子ならば時間はかかっても回復はしていくだろう。




体と一緒に心の傷が消えてくれれば、どんなにいいだろうか。




ベッドに腰を下ろしてそっと寝顔を除き見る。

怯えて泣いたキラの目元は少し腫れてしまった。

キラの為といいながら、自分は彼女にとって残酷なことをしたのかもしれない。

「キラ・・・」

「ん・・」

そっと頬を撫でれば、うっすらとキラの目が開かれた。

夢うつつな表情のまま、イザークを見上げる。

「悪い、起こしてしまったな」

そういって離れようとするイザークの手を、キラはそっと包み込んだ。

「どうした?」

しばらくイザークの手をじっと見つめていたキラだったが、その手をゆっくりと引き寄せると自分の頬へと当てた。

それに安心したかのように息を吐き出すと、キラは再び瞳を閉じた。

しばらくすれば、小さくはあるが規則正しい寝息が聞こえてくる。

「眠った・・・か」

安心しきって眠るキラに、イザークの顔にも笑みが広がる。

「ここにはお前を傷つけるものはなにもない。安心して眠れ」

そして、ここにいる間にゆっくりと癒せばいい。・・・・そんな場所であってやりたい。




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