「みんな遅いよ〜?」 何も分かっていないまま着替えを済ますと、キラが入り口の外で待っていた。 どうやら、アスランたちが着替え終わるのを待っていたらしい。 「キラ、副隊長のところに行ったんじゃ・・・」 「行ったよ?でもムウさん、クルーゼ隊長となんか話があるっていってそっち行ったんだ」 「そうだったのか」 夕食までのしばしの休憩を取るべく、アスランたちは連れ立ってキラの部屋へと向かった。 こうしてみんなで集まる時はたいていキラの部屋に集まるのが通例となりつつある。 何気なくキラの用意してくれた紅茶などを飲んでいた4人だったが、やはり気になるのはキラが議会に入るきっかけとなったこと。そして、先程のフラガの言葉だった。 きっかけがアスランとは、一体どういうことなのだろうか。
「何か聞きたそうだね、みんな」 そんな気持ちを読み取ったかのように、キラは一つため息をつくとカップをソーサへと戻した。 「え?」 「さっきから黙って人の顔をちらちら見ていたら、誰だってわかるよ。何か気になることがあるんでしょう?」 図星を指されて多少居心地が悪くなったが、この際だからと思い切ってアスランがキラに尋ねた。 「副隊長から聞いたんだけど・・・、キラが父や他の議員の方々と知り合ったきっかけが僕って、本当なのか?」 「うん、そうだよ」 「それって、どういうことなんだ?」 「実は・・・、アスランとパトリックのこと、間違えちゃったんだよね」 ははは、と笑うキラに、アスランをはじめとする4人は呆然とキラを見詰めた。 パトリックとアスランを間違える? 親子とはいえ、見た目にはあまり似ているようには思えないが・・・。 「アスラン、お前父親似なわけ?」 「僕以前アスランの母上の写真見せてもらった時ありますけど、どちらかというと母親にですよね」 「それ以前に、大人と子供だ。判断つくだろう」 「ていうかキラ!幼馴染の俺の顔忘れてたわけ!?」 幼年学校で別れてから3年、連絡など一切なかったとはいえ、たった3年だ。 その間に確かに成長はした。あのころよりはずっと背は伸びたし、顔も少し変わったと思う。 でも、だからといって、どうして父親と自分を間違えるのか。 「姿を見たらさすがに僕だって気付くよ。ただね、初めてパトリックとあったときは声だけで、しかもそのときは無茶苦茶な通信していたからノイズも入りまくりだったんだもん」 しかたないでしょ、とばかりに頬を膨らませるキラにアスランたちはどういうことなのか、と首をかしげる。
「きっかけは、地球軍に居たときに聞いたザフトへの攻撃命令だったんだ」 キラは、ゆっくりと語り始めた。
☆ あとがき ☆ 短いけど、とりあえずこれにて中断。 |