「どういうことだ、それは!」

 

キラがヴェサリウスに入ってから3日がたった。

イザークたち4人はGの整備のために格納庫へと来ていた。

だが4人が来たとき、格納庫の中は騒然としていた。

整備班の人間が4体のGの前で右往左往していたり、つないであるパソコンでなにやら懸命に操作をしていたりする。

「何かあったんですか?」

ニコルが近くを通りかかったクルーを捕まえて尋ねる。

「それが、今朝からG4体のプログラムがまったく反応しなくなりまして。昨日まではそんなことなかったのですが、整備班がどれだけプログラムにアクセスしてもまったく反応がないのです」

「なに!?」

「どういうことだ、それは!」

「Gからの反応がないって・・・」

「おいおい、まじかよ・・・」

アスランはイージス、イザークはデュエル、ニコルはブリッツ、ディアッカはバスターのコックピットへと向かい自分自身でそれぞれプログラムへのアクセスを試みる。

だが、整備班の言うとおりプログラムはまったくといっていいほど反応を返さなかった。

「どうなっているんだ、これは」

画面上ではいつもどおりプログラムを読み取ることはできる。

だが、指示を入力してもまったく作動しないのだ。

これでは意味がない。

『アスラン、そちらはどうですか?』

「まったくだめだな。」

『どれか一体がというのなら分かるが、全機体が全てとはな』

『今までこんなことなかったんだ。なにか原因があると考えたほうがよさそうだな』

「確かにな」

4人が通信できるといことは、通信システムのほうは作動しているようだ。

ということは、本格的にプログラムに異常をきたしているというわけでもなさそうだが。

 

ピー ピー ピー ピー


と、いきなり画面に一つの映像が流れた。

 

『親愛なるGパイロットさま

 このたび、私はあなた方に一つの試練を授けたく思います。

 もうご存知とは思いますが、Gは現在プログラムが作動できない状態になっております。

 これは私が作動させたもの。いわば、私からのあなた方への挑戦状です。

 誇り高きザフト軍クルーゼ隊Gパイロットのあなた方なら、必ずこの挑戦を受けていただ けますでしょう。

 私の正体を知りたければ、このプログラムを解くこと。

 質問なら1度だけ、お受けいたします。私の名を呼んでくだされば、私はあなたの元へ 現れます。

 あなた方なら必ず私の正体に気づいてくれると信じて・・・・。

                                                        仮想の娘 キヤト』


呆然としているアスランのところへ、ニコルから再び通信が入った。

『アスラン、あなたのところにも届きましたか?』

「ああ、どうやら俺達はこれを解くしか方法がないらしいな」

『でも、解くって言ったってねぇ』

『いまさらぐだぐだ言ってもしかたがない。挑戦状だと言ってきている以上、必ず解いてみせるからな!』


かくして、4人の挑戦は始まった。